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定期テストの意味

今から約半年前、当塾に通われていた生徒さんが成績不振を理由に高校を転校しました。



入塾前の三者面談では、保護者様によると「勉強が極端にできない」「前に通っていた塾では小学生の内容からやり直すように言われた」とのことでした。LDではないかと保護者様は疑っていましたが、授業の際に確認すると、計算は決して遅くはなく、説明をするとわからない問題は理解していました。また、英文の音読と日本語への翻訳はスムーズで、文章を理解して意味を予測して適切な日本語を当てはめることができていました。また、運筆・筆圧ともに安定していました。このように普段の授業では特に問題はないのですが、いざ、定期テストとなると普段の授業での理解度とはだいぶかけ離れた点数を取ってきてしまいました。本人に尋ねると「緊張でお腹が痛くなってしまう」とのことでした。


また、提出物を期限内に出さないことが繰り返されていたことも成績の評価に影響していたようです。保護者様にも提出物の管理をお手伝いするようにアドバイスしたり、当塾でもできるだけのサポートは行いました。


保護者様が学校に理解を求めようと、病院の診断結果を持って相談しましたが、「お子様が変わるように努力して下さい」というようなことを言われたとのことでした。個人を尊重すべしという時代の風潮に背くような時代錯誤の対応に非常に残念な気持ちになりました。このような学校の対応を受けて、さらに1年留年したとしても、学校の姿勢が変わらない限り同じようなことを繰り返してしまい、子どもにも負担がかかるという理由で転校することに決めたとのことでした。


テスト前には国語や英語の特定の科目でたくさんの課題が出されて、それらをこなすことに追われて本当に自分に必要な勉強まで手がまわらないと言うこと繰り返していました。また、生徒の学力を無視したような難しい問題が多く出題されて平均点は30点台になったりと学校側にも色々と問題はありました。


私たちの小さな訴えにも耳を傾けて適切な対応をすることが、問題点を探し出したり、ルールを改善することのきっかけになるはずです。その結果、他の生徒さんが快適に過ごせる学びの場に改善することにつながっていたはずなのですが、残念ながらそのような対応をしていただけませんでした。


周りの友達を傷つけたり、先生を意図的に困らせようとしたわけでもないのにこのような結果になってしまったことにとても違和感を感じました。生徒さん本人は絵を描くことが好きなので、美大・芸大への進学を視野に入れた高校に進学することになりました。


定期テストとは何のためにあるのでしょうか。学習内容を理解しているかどうかを確認するための場であって、生徒をふるいにかけるような場ではないはずです。学校側はその生徒さんの授業・生活態度と定期テスト結果のギャップの意味、赤点で追い込まれていても改善することができなかったことの意味を違和感として捉えて、手を差し伸べてあげるべきだったのではないでしょうか。

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