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漢字が覚えられないのはなぜ?京都市のとある塾の取り組み

  • 執筆者の写真: 代表
    代表
  • 6月27日
  • 読了時間: 2分

一言で「漢字が苦手」と言っても、以下のようにさまざまな原因があります。


  • 漢字を構成している部首や漢字の組み合わせなどの構造を正確に認識できない。


  • ワーキングメモリの弱さにより、書き順を覚えられない、次はどこに何を書くのかを思い出せない。


  • 書字が遅い、字のバランスが崩れてしまっている。小さい字を書くことができない。解答欄の中心に書くことができないなど、漢字に限らず字を書くこと自体が苦手である。


漢字の学習に対するこれらの問題がある場合、大きなお手本を見ながら、大きくゆっくりと模写をすることである程度自力で漢字を書くことができます。


このように環境を変えてあげるだけで、書字は可能になります。生徒さん自身も達成感を感じることができます。しかし、必ずしも長期記憶に繋がるとは限りません。また、特殊な練習を積み重ねれば綺麗に文字を書けるようになるか?と言われれば、残念ながら明確に回答することはできません。しかし、そのような特徴を自覚・把握しているだけで、精神的な負担は軽減されます。


1年生の時は漢字は得意だったが、2年生になった途端に漢字が嫌いになったという話もよく聞きます。その原因は2年生以降に習う漢字の画数が多くなるためです。


上のグラフから、1年生で習う漢字の大半は十画以下であるのに対して、2年生になると十画以上の漢字を多く習うことがわかります。学年が上がるにつれて、少しずつグラフのピークが右にずれていきますが、さほど大きな違いは見られません。


その代わりに、4年生以降になると、普段使わないような抽象概念や聞き慣れない言葉が増えます。口語で使う言葉から文語で使う言葉へ、家族・友達と使う言葉から、それらより広いコミュニティで使う言葉へと変化します。漢字を通して語彙を学び、語彙を通して漢字を学ぶため、漢字を学ぶことはとても大切なことです。


従って、漢字を書くことが苦手だからといって、漢字の学習をやめてしまうことは間違っています。書くことさえ除いてしまえば、漢字の読み方や、送り仮名、対義語、類義語など、さまざまな学習方法があります。漢字の学習は形を変えてでも行うべきです。

 
 
 

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